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【学生・新人向けレポート課題】寝たきりの人の目標設定例

リハビリnote

 初めに伝えたいのは、急性期でも回復期でも、寝たきりの方のような維持期の方など年齢問わず、老化や何らかの病気によって機能低下がみられます。
 でもリハビリテーションによって回復する可能性も0ではないと思っています。

しかし、リハビリを行う人によっては患者さんの治癒過程が異なってくるのも事実です。

筆者もセラピストとして、まだまだ知識や技術を学び続けなければいけません。
寝たきりの人はリハビリの効果判定がしにくいこともあるかもしれませんが、学びは続けていくことが大切だと思っています。

患者さんと関わる上では必ずリハビリテーションの目標を立てる必要があります。
学生や後輩指導をしていて、リハビリテーション目標を立てる際に苦戦している子を良く見かけていました。

患者さんの状態や家族の要望、患者さんを取り巻く環境によって目標設定が変わってきます。

あくまで、一例として何点か例を出しますので、実習や先輩から出た課題で悩んだ際は参考にして、考えてみてください。

例① 車椅子乗車して家族と外出(散歩)することが出来る。

寝たきりの方でも家族が面会に来た時など車椅子に乗車して一緒に過ごす時間がある場合があります。
外に外出できなくても、ロビーで一緒に過ごしたり、屋上で外の空気を一緒に感じたり。

この目標を達成するためには、
車椅子乗車出来る座位耐久性(バイタルが安定していること、チアノーゼ等の症状が出ないこと)
車椅子乗車に必要な関節可動域
が必要です。

病棟スタッフに協力を得やすくするには移乗動作の介助量軽減も必要になってくると思います。

座位保持が困難な場合には車いすをリクライニング式にする、あるいはクッション等でポジショニングするなど環境を整えることも必要です。

リハビリの提供が出来る時間が短い場合には看護師にも協力してもらい、離床時間を増やしていく必要があります。
看護師や介護士が人手不足で協力が得にくい場合には、リハビリスタッフの介入時間を調整して離床時間を確保する必要があるかもしれません。

例② 家族とコミュニケーションを取ることが出来る。

文章だけでコミュニケーションと書くと、言語的なやり取りを想像してしまうかもしれません。
視覚刺激では追視がみられること、瞬きが生じること、驚愕反応でも表情の変化がみられること、
聴覚刺激では追視がみられること、閉眼から開眼すること、頷きや首振り、表情の変化が起きること
などもコミュニケーションとして非常に大事な能力です。

覚醒が低いと、座位などの抗重力姿勢を取るなどして、覚醒を上げようとすることもあると思います。
また、声掛けや触圧刺激によって、覚醒を促すことがあります。

僕が指導してきた子たちは寝たきりの人の聴覚反応を確認するのが不十分な子が多くいました。

聴覚も聞き取りやすい振動数があるため、簡単な評価方法としては音叉を使用すると、どちらの聴覚が保たれているか評価することが出来ます。
音叉を鳴らして、耳に近づければ逃避反応のようなものがみられることがあります。

例③ 苦痛なくケアや更衣の介助を受けられる。

拘縮が強い方や全身の緊張が高い方に対しては結構大事な目標設定の視点だと思っています。
リハビリではゆっくりと時間をかけて、患者さんの関節可動域を広げていくことが出来ます。
看護師や介護士さんも極力丁寧に関節を広げて行為を行ってくれたり、清拭、おむつ交換など行ってくれていると思います。

それでも、筋緊張が高い状態だと更衣やオムツ交換が大変になります。患者さんも痛みを伴っているかもしれません。また、手掌や腋下などは蒸れて皮膚が剥がれ易くなったり、不衛生になることもしばしばあります。

そのために拘縮を予防していくことが大切になります。

終わりに

患者さんの目標設定で、学生や新人さんは関節可動域や筋力について考えてくれていることが多いです。
もう少しだけ、視点を広げると僕はこのような目標設定をお伝えさせてもらうことがあります。

患者さんの状態によっては他にも色々な目標を立てることがあると思いますが、レポートなどで悩んだ際は参考になれば幸いです。

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