※この記事は一般の方向けの記事です。
「最近、物忘れが増えた。」、「(物を無くしたのに)誰かに盗まれた」、「(人の)名前や出来事を思い出せない」。
そんな出来事が増えてくると、少しずつ日常生活でも不安を感じ始めます。
そして、そのような症状は本人より家族や友人など、よく一緒に過ごす方の方が気付くことがあります。
本人に病院受診を勧めることは自尊心を傷つけてしまう可能性があるから、直接言えないという話もよく耳にします。
しかし、何か気付いたら早めに専門家に相談することが、症状の進行を遅らせたり、予防していくことにつながります。
症状は進行していくと日常生活にも大きく支障をきたす恐れもありますし、記憶障害が強くなると本人はより不安を感じてくることになるかもしれません。
専門家に相談することは悪いことではなく、異常が見つからなければ本人も家族も安心するきっかけにもなります。
どんなことで物忘れが生じるのか、そして予防はどのようなものがあるのかを知っていきましょう。
記憶力低下を引き起こす原因
記憶力低下は誰しもありうることです。日常生活の状態から考えられる原因をいくつか挙げていきます。
過労や寝不足、栄養バランスの乱れ、精神的ストレス
疲れが溜まったり、寝不足の状態が続くと誰しも集中力が欠けてくることを経験した覚えがあると思います。まずは、十分な休息を取ることが必要となります。
また、栄養バランスの乱れは脳を正常に働かせることが困難になることがあります。急な食生活の変化や暴飲・暴食がないかをチェックし、栄養バランスの取れた食事を心がけることが必要です。
そして、日常的に過度なストレスがかかっていないかをチェックし、解決していくことが必要となります。
薬による影響
薬は様々な作用・副作用をもたらします。服薬により物忘れが増えたと感じたら、担当医に相談してみましょう。
加齢による記憶力低下
20歳代を過ぎると徐々に記憶力の低下がみられると言われており、徐々に物忘れが増えてくるようになります。
加齢による物忘れは、名前や出来事を思い出せなくても、自覚があり自分でヒントを得ようとしたり、解決を試みます。
認知症の場合は自分で解決しようと思わなかったり、同じ質問を何度も繰り返す傾向があります。
自分自身で気付くことが出来るか出来ないか。が大事なポイントになっています。
病気による物忘れ
何らかの病気をきっかけに物忘れが増えてくることがあります。
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血など脳血管障害により生じる認知症です。脳梗塞や脳出血の程度や部位によっておこる症状が異なります。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は記憶に関わる脳の海馬と呼ばれる部位が損傷し、物忘れの症状がみられます。特徴は最近の事ほど忘れやすすく、出来事全体が覚えにくくになる。ということです。
例えば
1)物忘れは夕食に何を食べたか忘れた。
2)アルツハイマー型認知症は夕食を食べたことを忘れた。
といった、違いがあります。
慢性硬膜下血腫
転倒や交通事故により、頭部に強い衝撃を受け、脳の中に血の塊が出来て、脳を圧迫してしまう状態です。血腫が引いてくると症状の緩和がみられます。
水頭症
脳脊髄液と呼ばれる脳を循環している液の流れが悪くなり、脳内に脳脊髄液が溜まった状態をいいます。
脳脊髄液が脳に溜まることにより、脳を圧迫し、症状がみられます。
水頭症の特徴は『歩行障害』、『認知症』、『尿失禁』と呼ばれる3兆候が特徴的にみられます。
記憶障害の予防
基本的に日常生活の見直しから行います。しっかりと休息や栄養を取り、心身ともにストレスが少ない状態が記憶力の低下の予防につながります。
それでも違和感を感じた場合は専門家に早期に相談することが大切になります。
認知症や記憶障害にも様々な種類があるため、病気や症状、性格、日常生活の様子などによって予防法が異なるためです。
本人では気付かない場合が多いかもしれません。違和感を感じた場合は専門家に一緒に相談してみるといいですね。
日常生活の言動や行動の記録を取って置きながら相談すると、専門医も対応しやすくなるかもしれません。
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