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【手洗い動作観察】リハビリでチェックするべき観察のポイント

リハビリnote

こんにちは。
作業療法士のゆうです。
本記事では手洗い動作の観察のポイントをお伝えします。

実習生
実習生

患者さんの手洗い動作の観察では普通に手を洗えているように思えるんですが、
どこに注目して評価すれば良いのか分かりません。

ゆう
ゆう

手洗いの場面でみられる問題点は患者さんによって異なりますが、
どこに注目して評価すればよいのかお伝えしていきます。

※患者さん自身が特に問題と感じていない場合もありますので、コチラのエゴにならないようにしましょう。ここではあくまでADL動作観察に必要だと思うポイントの紹介です。

手洗いの動作の流れ

ゆう
ゆう

まず最初に手洗い動作の一連の行為を分解していきましょう。

手洗い動作は分解すると以下のとおりです。

1.蛇口を操作し、水を出す
2.蛇口下に両手を伸ばし、手を濡らす
3.ポンプを操作し石鹸を出す。あるいは、固形石鹸を両手のひらでこすり泡立てる
4.手のひら、手の甲、指、指の間などを洗う
5.石鹸を水で洗い流す
6.水を止める
7.タオルで手を拭く

一連の行為でどこに問題が出ているのかを評価しています。

看護師
看護師

分解して観察したけど、どこに問題があるのかが分かりません。。。

ゆう
ゆう

動作観察に慣れるまでは、多少の不自由があっても
特に問題として捉えにくいかもしれませんね。

患者さん自身も違和感を感じていない場合もありますし。

患者さんの手洗い動作を観察するときには以下のポイントに大切にすると良いと思います。

観察に慣れていない方へのポイント

・自分の手洗い方法と違う様子
・介助が必要な動作
・一人で出来ているけど、時間が必要以上にかかっている
あれ?って感じた時の違和感

・身体機能的な問題により、課題があるのか?
・高次脳機能障害により、課題があるのか?

どこに着目していけば良いのか?
ポイントをお伝えしていきます。

ゆう
ゆう

患者さんの状態によって、どんな問題点があるのかは人それぞれですが、

注目しやすいポイントがあるので、お伝えします。

【身体機能】チェックしておきたいポイント

身体機能的な問題は以下のような手洗い動作に注目して観察してみましょう。

姿勢の問題

車椅子に座ったまま行なうのか?
立った状態で行なうのか?

手洗い中はバランスを崩さず、姿勢を保持することが出来るのか?

ゆう
ゆう

観察から手洗いに必要なバランス能力をみることが出来ます。
また、手だけではなく、体幹や両下肢の状態を評価することが出来ます。

物品操作

蛇口を操作したり、石鹸やハンドソープを使用することが出来るのか?

ゆう
ゆう

出来なかった場合は

関節可動域や筋力の問題があるのか?
など仮説を立てて、詳細な評価をしていくことにも繋がりますね。

【片麻痺の場合】麻痺側は動作に参加しているか

片麻痺の場合は麻痺の重症度にもよりますが、
麻痺側を使ってないから洗わない。という方もいます。

そのような場合でも衛生面だけでなく、普段の練習として出来るだけ声をかけて促しましょう。

ゆう
ゆう

麻痺側がどの程度、運動に参加しているかを評価します。
動作への参加が乏しいようでしたら、色々な仮説が出てきます。

片麻痺機能テストや感覚テスト、関節可動域・筋力検査など必要だと思う評価を行い、治療プログラムを計画していきましょう。

【高次脳機能】チェックしておきたいポイント

高次脳機能に何らかの障害があると、以下のような行動に問題がみえやすいくなります。

物品・手順の理解

手洗いは日常的に行われている行為ですが、物品の理解や手順が分からなくなることがあります。そのため、洗面台の前で促しても、手洗動作が始まらない、または混乱している様子があるときは、物品や行為・手順などを理解しているのか?を確認していく必要があります。

確認しておきたいこと

・物品の理解(石鹸・ハンドソープ・タオル・ペーパータオル)

・蛇口の操作理解(ハンドル式・レバー式)

危険管理

手洗い動作でも危険は伴います。危険を予測し、事前に身を守ることが出来るのかを評価しなけれないけません。

確認しておきたいこと

・火傷を防ぐために温度を確認すること出来るのか?
→蛇口レバーの位置を事前に確認し、非麻痺側で水の温度を確かめることが出来ていればOK。

・麻痺側上肢の管理
→例えば車椅子上で手洗いをした場合、洗い終わったあとに洗面台からを落としてしまうことがある。

時間が必要以上にかかっている

手洗いにかかる時間は性格によっても異なります。しかし、必要以上に時間がかかっている場合は何らかの問題が生じている可能性を疑う必要があります。

確認しておきたいこと

・違うことが気になり、手洗いが始まらない・中断されやすい。
・何度も同じことを繰り返し、声がかかるまでやめようとしない。

集中力が欠如していたり、保続様の行動がみられることがあります。

【片麻痺の場合】洗い残し、拭き残しはないか?

片麻痺を呈していると、麻痺側の感覚が鈍くなっていたり、注意が不十分なことがあります。
そのため、石鹸の洗い残しが不十分なんてこともよくあることです。

確認しておきたいこと

・石鹸の洗い残しや拭き残しはないかを自分で確認することが出来ているのか?

ゆう
ゆう

手洗い動作から高次脳機能障害の仮説を立てることが出来ます。

上記のような行動がみられたら、必要だと思われる注意力や失行の検査など高次脳機能テストを行っておきましょう。

終わりに

手洗い動作は日常生活動作の中でも、頻度が多い活動です。
また、食事や更衣、トイレ動作などと比べても難易度が低いため、患者さんには取り入れやすく自立しやすい活動でもあります。

軽視せず、大切に関わってもよい活動の一つだとも思うので、
沢山関わっていくべきだと思います。

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